開催概要
2025年度の中国語学セミナーを下記の通り開催します。みなさま奮ってご参加ください。
- 開催日時:2025年9月6日(土)13:30~17:00(日本時間)
- 開催形式:Zoomミーティングによるオンライン開催
- 聴講料金:無料
- 講師(登壇順)、および講義題目:
- 吉川雅之(東京大学):ラテン文字表記法の展開:発音の可視化とその先
- 沈力(同志社大学):「尴什么尬」から見る中国語における形態素の単音節性
- Zoomアクセスの都合上、聴講は300名までとなります。
- 本セミナーは当日の生配信のみです。オンデマンド配信は行ないません。
- 会員は事前登録が不要です。ZoomのミーティングIDとパスワードは後日会員向け一斉メールにて通知します。
- 非会員の方もご参加いただけます。非会員の方はこのリンクにアクセスして事前登録をお願いいたします。
- お問い合わせ: seminar [at mark] chilin.jp ([at mark] を @ に変えてください)
講義内容
吉川雅之(東京大学):ラテン文字表記法の展開:発音の可視化とその先
現代標準中国語「普通話」は簡化字(簡体字)と漢語拼音(ピンイン)を文字表記の基盤としている。漢語拼音はラテン文字をベースとした発音表記法であるが、字母と発音の関係だけでなく綴字規則にも独特さがある。そこで、普通話の音節構造・音韻体系と漢語拼音の関係から説き起こし、中国語の他の発音表記法、更には近隣諸言語のラテン文字をベースとした正書法にまで視野を広げて、表記法の類型と系譜について考えてみたい。併せて、東アジアのダイグロシア社会でラテン文字が果たした役割について私見を述べる。
沈力(同志社大学):「尴什么尬」から見る中国語における形態素の単音節性
言語学の古典的な理論では、形態素は「意味を持つ最小の単位」と定義されてきた。しかし、意味を持つか否かで定義すると、連綿詞(例:尴尬)や音訳語(例:幽默)などの二音節の言語形式は「形態素」になるが、これらのほとんどは形式的に分離可能である(例:尴什么尬,幽什么默)。これは「分離不可能な最小の単位」という形態素の定義に反する。この矛盾を解決するため、「形態素とは、文法構造の構築機能を持ち、かつ分割不可能な最小の〈文法単位〉である」という新しい定義を提案する。そして、この新定義による形態素は、中国語では主に単音節の形式に限られるのに、英語や日本語では多音節の形式も存在する。この違いを言語類型論の観点から考察していく。