開催概要
下記の要領で日本中国語学会主催のセミナーを開催いたします。事前登録制となっておりますので、聴講を希望される方は下記のリンクよりお申し込み下さい。会員でない方もご聴講頂けます。
- 開催日時:2021年3月13日(土)13:00~18:00 Zoomによるオンライン講義
- 講師(登壇順):
- 太田斎(神戸市外国語大学名誉教授)
- 杉村博文(大阪大学名誉教授)
- 平田昌司
- 参加費:日本中国語学会会員¥1,000 / 非会員¥2,000 (聴講申込時に PayPal でお支払いいただきます)
- セミナーは事前申込制です。
- 聴講申込期間:〜2021年
2月13日まで→ 延長しました 3月5日(金)正午まで - 申し込みを完了された方には、3月8日までに当日の講義に関する情報をメールでお送りします。
- お問い合わせ: seminar [at mark] chilin.jp ([at mark] を @ に変えてください)
なお、Zoom管理の都合上、聴講は先着100名様とさせていただきます。本セミナーは開催日の生配信のみです。オンデマンド配信は行ないません。
講義内容
常用語彙に見られる変な発音 太田斎(13:10〜14:40)
普通話では規範化された漢語として、意味の違いを伴わない一字多音は整理されて、そのうちの代表的な形式が選ばれて一字一音になっているが、徹底しないところもある。例えば「杉」のshān、shāは文白異読として処理されるが、「秘」のmì、bìはどうか?「一」、「不」だけ何故特殊な変調パターンを採るのか?規範化されていない現代方言の常用語彙にはこのような例外的な発音が多く見られる。普通話に近い現代北方方言のデータを基に、このような発音が生まれる原因、発音の歴史的変化の参考資料として有効性について解釈してみたい。
現代中国語の「文」の構成の基本設計 杉村博文(14:50〜16:20)
現代中国語シンタクスの基本設計の一つに朱德熙(1992)のモデルがある。このモデルは「形態素は基本的に単音節である」を基点に置き,朱氏の中国語文法理論の根幹である「一品詞多機能」や「文の構造原則と句の構造原則が一致する」を経過して「修飾語が長すぎたり,複雑すぎたりすることはよくない」という語用論的制約にまで説き及ぶ。その一方で,朱氏は構文を語ることが少なく,中国語は主述の間の統語論的・意味論的構成が相対的に緩いという認識の根拠として所謂「主述述語文」に言及する以外,構文には基本的に関心を示さない。本講義では朱德熙(1992)をベースに,現代中国語の「文」の構成の基本設計について考えてみたい。
趙元任を読みなおす 平田昌司(16:30〜18:00)
今ではなまえだけが知られ、実際にはほとんど読まれていない趙元任(1892-1982)の仕事は、中国語学研究にとって忘れてはならない基点である。かれの業績を読む際は、胡適(1891-1962)に代表される五四運動型の言語・文学観という時代背景があることに注意を払わねばならない。本講義では、「初級」中国語教科書として歴史上最高水準のできばえであるMandarin Primer[國語入門](1948)を中心に、趙元任の中国語口語記述の概要を紹介し、あわせて現在の中国語研究にとって趙元任が持つ意義を論じる。