東海支部例会

更新日: 2011/9/21

2011年度

2011年11月19日(土)午後2時〜
中京大学5号館573(名古屋市昭和区八事)
清水勝昭(中日本自動車短期大学)
外来語の受容における仮名と漢字の文字機能—中国語母語者によるカタカナ語習得困難意識の要因
中国語を母語とする日本語学習者にカタカナ語習得困難意識が存在することがわかっている。発表者の関わる自動車整備技術教育でもカタカナ語の自動車部品名称が、学習上、教育上のネックになっている。その要因について、先行研究は、外来語をめぐる日本語と中国語が語彙と文字の両面において類似度が低いことを挙げる。しかし、語彙面では音訳傾向と意訳傾向、文字面では表音性と表意性という比較では十分に解明できない。本発表では、日中両語の外来語の特徴の差異を明らかにするためには、文字の働きを検討する必要があると考えた。その結果、外来語の受容において、日本語の仮名と中国語の漢字に異なる文字機能が存在することを指摘する。
古川竜治(中日本自動車短期大学)
中国若者世代の「謝罪」行為に関する社会的相関性とその変化について
中国の経済的急成長とともに、現代の若者世代の価値観や行動も大きく変化しつつあるといわれている。その変化の一面を、基本的なコミュニケーション行為のひとつであり、かつ特定の社会における倫理観や規範などが投影される「謝罪」行為という視点から探ってみた。調査は中国人大学生(在日留学生含む)を中心に、「謝罪」における“社会的属性”、“場面”、“状況”別観点からみた彼らの意識や行為、さらに実際に用いる謝罪表現等についてアンケート調査方式で行った。本発表ではそのデータを20年前に行われた同様の研究成果とも比較することで、中国若者世代のコミュニケーション行為の一面における意識や行為の変化とその特徴について考察を試みる。
張勤(中京大学)
中国語の要請と敬意について—注意書きの形式と表現から
本発表は、中国語の注意書きなどの表現を通して、中国語の要請表現に見られる対人意識を概観する。中国語による注意書きは、形式において、読み手に最大の敬意を払うものと、絶対的に従わせる尊大なものが存在するが、そのどちらも突き詰めて言えば、読み手とのストレートな関係を目指すものである。最大の敬意を払う前者は、形式上では敬意を十二分に示すものであるが、形式上の敬意のゆえに読み手を突き放す意味合いが生じてしまう。それと反対に読み手にまったくの選択権を与えない後者の尊大な表現が、あまりのストレートさに読み手に殴り掛かってきそうな勢いを感じさせてしまう。このような両極端にある表現において、いわゆる敬意をどう考えればよいのか、そして両極端にある表現に対して、お互いの形式を互換して示してみればどういうことになるのか、といったことについて考えてみたい。

2010年度

2010年11月27日(土)14:00〜16:30
名古屋大学・文系総合館7Fカンファレンスホール(702)
丸尾 誠(名古屋大学)
中国語の動補構造“V回(来/去)”について
V回(来/去)”フレーズにおける移動主体に着目すると、(i)Sの移動(例: 走回来)、(ii)Oの移動(例: 放回去)、(iii)S+Oの移動(例: 运回来)のようなパターンがみられる。ただし、(iii)のタイプ“买回来”では、Oが「元の場所に戻る」わけではない。また“一斤黄豆可以换回两斤豆腐”のような例では「戻ってくるもの」が異なっている。荒川2005はOの移動を表す“寄回来(/去)”を扱ったものであるが、本発表ではそれ以外の(ii)のタイプおよび(ⅰ)(iii)のタイプも含めて、中国語では「『同じもの』が『元の場所』に戻る」という意味を表すものではない状況に“V回”の形が広く用いられる事象を概観しつつ、その動機づけの探求を試みる。
韓涛(名古屋大学・院)
中国語における〈好まれる言い回し〉としての事態把握について—整列対応に基づく方向補語の用法を例に—
言語が異なれば〈好まれる言い回し〉も異なる。例えば“小李一生下来就非常聪明。”[李さんは生まれたときから頭がいい。]という文が示すように、日本語訳と比較して、方向補語を用いた表現が中国語話者にとって〈好まれる言い回し〉であるといえる。このとき、“”は〈現実世界〉と対応し、“”は認知主体が〈現実世界〉の内側から問題の事態を眺め、言語化していることをそれぞれ表している。本発表では中国語話者にとってのこのような〈好まれる言い回し〉としての事態把握の仕方について、鍋島2009で提案された整列対応(アラインメント)という観点から考察する。
勝川裕子(名古屋大学)
他很会开车。”の成立可否について
現代中国語における助動詞“”に「〜するのが上手い/〜に長けている」という用法があることは周知の事実であり、辞書等でも「可能」を表す“”とは別に項目を立てて、説明されることが多い。本発表では、「可能」を表す“”から「上手い」という意味が派生するプロセスについて考察する。また、これまで“开车、骑马”のような技能型については「{運転/乗馬}が上手い」の意味で“很会~”と共起することはないとされてきたが、実際にはこのような表現例が散見される。どのような動作行為が“”と共起し「上手い」を表すのかについて考察しながら、“”がもつ根本的な表現意図を探っていく。
謝平(名古屋大学国際言語文化研究科博士候補研究員)
”構文における“”、“”と補語の共起関係について
”と“”はいずれも程度が増すことを表し、互いに置き換えられる場合も少なくない。しかし、“”は数量補語以外にも程度補語“”と共起するものの、“”は“一点”、“一些”のような不定数量補語と共起する以外、他の補語とは殆ど共起しない。本発表では意味論の観点から“”と“”の基本義を考察した上で、“”が数量・程度補語と共起しにくいという現象が、「程度差が大きい」ことを表すという“”の持つ特徴に起因するものであることを論証する。また、このような制約の存在しない“”については“”と異なり、それ自体では程度差を表す機能を持たないことについても指摘する。

2009年度

2009年11月21日(土)13:00〜16:00
名古屋大学文系総合館7Fカンファレンスホール(702)
寺澤知美(名古屋大学・院)
「N/V+“前/后”+数量詞」の表現について
要旨: 現代中国語の方位詞“前、后”は空間だけでなく,時間を表す表現にも広く用いられるが,本発表では特に「N/V+“前/后”+数量詞」の表現について取り上げる。[+過程]の特徴を持つ語が「“前/后”+数量詞」に前置される場合,多義が生じる。例えば,“开会前半小时”は「会議開始前の30分」と「会議開始後の30分」の2つの解釈が可能である。ところが,“睡觉前半小时”の場合,「眠り始めてから30分」という意味よりも「眠る30分前」として理解されやすくなる。本発表では,「N/V+“前/后”+数量詞」の表現において,前置される要素の持つ働き,表される時間の長さ,前後関係等が多義性に与える影響について考察する。
吉田仁(名古屋学院大学・非)
昆明方言に対する各層間の意識差とその原因
要旨: 筆者は2004年に,『言語95・11別冊 変容する日本の方言』所収の言語意識調査票を用い,雲南省の昆明方言の言語意識調査をネイティブ90名とノンネイティブ45名に対して行なった。ネイティブの内訳は,25歳未満の大学生を主とする層,25歳以上〜50歳未満の活躍層,50歳以上の高年層である。調査の結果,昆明の人や土地柄と昆明方言に対してネイティブとノンネイティブの間では明確な意識差が存在し,さらにネイティブ内での年齢差によっても微妙な意識差が存在することが判明した。本発表では調査の結果を基に上記の意識差の原因と昆明方言の未来像を探るものである。
中西千香(愛知淑徳大学)
機能からみた前置詞の再分類〜実から虚へ〜
要旨: 現代中国語における前置詞は前置詞という一つの品詞でくくられているものの,個々の機能はさまざまである。本発表では,前置詞の持つ機能から動詞性の濃淡を導き出し,前置詞の分類を試みる。今回参考とするのは,俞士汶2003『现代汉语语法信息词典』「介词库」である。「介词库」のデータ結果をふまえて分析するが,このデータ自身にも若干問題があり,それについても触れる。 前置詞のつくる文型,修飾成分の入る位置等から前置詞を分類することによって,それぞれ下位分類された前置詞グループに共通する特徴を問題にするともに,前置詞フレーズが連続する場合についてもふれたい。
橋本永貢子(岐阜大学)
動量詞の成立と発展について
要旨: 動量詞は,本来動詞或いは名詞であったものが,次第に主たる動作・行為の量を表す機能語として働くようになったものである。その由来は,本来の意味と主動詞との関係から考えると,大きく次の4つのタイプに分けられる。1)「プロセス」を表す語を用いる,2)主動詞またはその上位概念を表す動詞を繰り返す,3)動詞とメトノミー的関係にある名詞を用いる,4)名量詞で動作行為の量を読み込む。これらの中には,時代の変遷とともに回数のみならず,時間の長さ,さらには様態を表すようになったものもある。本発表では,このような動量詞の通時的変化を概観し,その結果としての現代における動量詞の機能について考察する。
荒川清秀(愛知大学)
中国語の未来表現
要旨: 中国語の未来表現については最近,張万禾・石毓智2008「現代漢語的将来時範疇」(『漢語学習』10月)が出た。ここでは純粋に未来を表す“”にポイントをしぼり,その出現の条件をさぐっている。中国語の動作動詞は,そのままのカタチで未来を表す。しかし,状態動詞の場合には“你不来,一定会后悔的。”ののように“”を伴うことがある。この“”は条件文の主節にしばしば現れるものであるが,つねにではない。本報告では,条件文での主節の動詞のカタチも射程にいれ,動作動詞と状態動詞の未来表現の特徴,助動詞“”だけでなく“会”の現れる条件についても考えてみたい。

2008年度

2008年10月4日(土)14:00〜17:00
南山大学名古屋キャンパスJ棟1階特別合同研究室(Pルーム)
曹志偉(愛知淑徳大学)
关于“吃X”的句法结构及语义扩展
要旨: “吃”是现代汉语中使用频率颇高的动词,由“吃X”构成的短语、惯用语、成语、歇后语等,不但数量多,而且表现力强。例如:“吃亏”、“吃豹子胆”、“吃情调”等。这些用法的特征具有结构的凝固性和语义的整体性。为了便于讨论,笔者把“吃” 的后项成分总称为“X”,并认为“吃X”中的隐含意义与联带意义紧密相关,通过隐含意义的形象化及联带意义的具体化和外向化,其语义得到扩展。本文将探讨 “吃X”的句法结构及语法特点,并分析“吃X” 的语义扩展机制及影响因素。
李謹(中京学院大学)
謝り表現における「对不起」と「不好意思」の役割についての考察
要旨:日中・中日辞典などでは「すみません」と「对不起」を訳しあうのが一般的であるが,中国では「不好意思」も謝り表現として広く使われている。実際に,現地で生活する日本人学習者が「对不起」と「不好意思」の使い分けに戸惑うことも少なくない。本発表は資料調査やネーティブスピーカーへの調査など通じて,謝り表現における「对不起」と「不好意思」の役割を考察し,語用論の観点から両語の用法の違いを解明することを試みるものである。

2007年度

2007年10月6日(土)14:00〜17:00
愛知大学車道校舎902教室
<創立十周年記念特別企画>
勝川裕子(名古屋大学)
可能の意味と表現形式
厳 萍(愛知淑徳大学)
入門初期における効果的な中国語発音指導のあり方への一考察
成戸浩嗣(愛知学泉大学)
移動動作の場所を表わす“在・トコロ”と「トコロ・ヲ」
顧 明耀(愛知大学)
対訳辞書の例を考える
傅 建良(関西学院大学大学院)
インターネット記事の見出しにおけるテンス—対照言語学の視点から—
丸尾 誠(名古屋大学)
現代中国語の補語“起来”について
2007年5月19日(土)14:00〜17:00
名古屋大学全学教育棟(情報文化学部棟)第1会議室
<創立十周年記念特別企画>
謝平(名古屋大学大学院)
現代中国語の「有点儿」について
周錦樟(南山大学)
“0”韻母について
薛鳴(中京学院大学)
日中親族名称の比較——言語形式と言語使用の視点から
寺澤知美(名古屋大学大学院)
現代中国語の方位詞“上”、“里”について
杜英起(愛知淑徳大学)
中国語講義の実践及び成果について
吉田仁(名古屋学院大学)
音韻体系から見た鼻音韻尾脱落の原因

2006年度

2006年10月14日(土)14:00〜17:00
名城大学天白校舎 共通講義棟N-102
朱 勇(名古屋外国語大学)
漢日同形詞対比研究二十年[1]
馮 富栄(愛知淑徳大学)
オリジナルイーラニング中国語教育の試み
丸尾 誠(名古屋大学)
存在文の文頭に現れる介詞“在”について
2006年5月20日(土)14:00〜17:00
中京大学センタービル 0810教室
王 平(愛知産業大学)
一般教養科目の中国語学習者への指導
高 芃(名古屋大学大学院)
指示詞“这/那”の虚化現象―数量表現との関連性についての考察―
張 勤(中京大学)
中国語の丁寧さ
成戸 浩嗣(愛知学泉大学)
看到」、「見到」の使い分け

2005年度

2005年10月8日(土) 14:00〜17:00
愛知大学車道校舎第3会議室(本館第13階)
勝川 裕子 (名古屋大学)
連体修飾語句における照応表現
趙 晴 (名古屋外国語大学)
汉语课堂常见问题试析(一)
冨永 清美 (愛知大学大学院)
副詞“”の周辺的用法について
吉川 剛 (愛知大学)
中国語のCAIについて
2005年5月14日(土) 14:00〜17:00
名古屋大学全学教育棟(情報文化学部棟)第1会議室
顧 明耀 (愛知大学)
供谁使用的词典?―对双语词典的宏观思考之一
李 嘉馨 (愛知県立大学大学院)
对歧义现象的认知思考
林 佩芬 (名古屋大学大学院)
中国語の数量詞表現に関する考察

2003年度

2003年10月11日(土)
東邦学園大学
シンポジウム:中国語教育はどうあるべきか
<問題提起>
侯 紅玉
現代漢語詞彙的発展
許 暁敏
符号分析法在漢語教学中的活用
成戸 浩嗣
中国語教育における隠れたポイント―日本語との対照を中心として―
<司会>
時 衛国
2003年5月24日(土)
名古屋外国語大学
藤森 猛
影戯から影視へ―中国語映画用語の形成―
中鉢 雅量
民国時期言文一致実現への苦闘(下)―1930年代,40年代の文芸大衆化運動と語文教学の進展をめぐって―

2002年度

2003年2月1日
愛知県立大学
劉 乃華
漢語作為外語教学的教学語言的編制
岩田 礼
言語地理学の立場からみた中国語の普遍性―日本,フランスの方言地図と対照して―
2002年9月21日(土)
愛知大学
高橋 めぐみ
”を例とした多義語の意味の存在条件
荒川 清秀
語彙的ボイスについて―“”と“”を中心に―
2002年5月11日(土)
名古屋大学
丸尾 誠
在+L+V”,“V+在+L”形式について―移動・存在という観点から―
時 衛国
+動詞+量性成分
<五周年記念パーティ>

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